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2012年4月27日 パナソニック 汐留ミュージアム
「アール・デコ 光のエレガンス」展
2012年7月7日(土)-2012年9月23日(日)

 パナソニック株式会社の企業ミュージアム、パナソニック 汐留ミュージアムは「アール・デコ 光のエレガンス」展を2012年7月7日(土)から2012年9月23日(日)まで開催いたします。

開催趣旨

 本展はアール・デコの照明器具などアール・デコと光の関係に焦点をあてた、これまでにない視点の展覧会です。アール・ヌーヴォーからアール・デコへの変遷は、曲線から直線への変換といった様式的に語られることがほとんどですが、そこには電球の発明など文明の発達も大きく関係していました。本展はドーム、国立セーヴル製陶所、ラリックなどのアーティストが手がけたデザイン性豊かな照明器具を中心に、それらが置かれていたであろう室内に合うイスや花瓶などを加えた約110点を展示し、アール・デコの未来志向性と新しい時代の予感を体感いただきます。
 第一部では「カラフル」をテーマに、パート・ド・ヴェール技法の照明器具を紹介します。この技法は、古代エジプトに起源を持つ、砕いたガラスを鋳型に入れて窯の中で熔かして焼き上げる特殊な製法で、アール・ヌーヴォー期に再興され、1920年代のアール・デコ期に花開きました。本展では、アルジィ=ルソーの照明器具を中心に、アール・ヌーヴォーと共通の自然主義に基きながら、様式化されたアール・デコの特徴をもつ、カラフルで色鮮やかな作品を紹介します。
 第二部は「シック」をテーマとし、サロンの再現展示を中心に、フランスのアール・デコの粋ともいえる作家ジャン・デュナンの漆芸パネル、光を透過する「磁器」の特性を利用した照明器具など、優れたデザイン性に加え、当時ならではの素材使いにより、興味深い作品を紹介します。
 第三部では、ラリック作品を中心に、初公開の天井灯とオリジナル・セットによるテーブル・セッティングなど、食の空間に関連する作品を紹介します。ルネ・ラリックは透明ガラスを利用したモノトーンでシックな光の演出により、ラグジュアリーの概念を塗り替えました。「光とスピード」と題したエピローグは「レディエンス」をテーマとし、光とスピードを主題にしたオブジェとポスターを展示します。電光や稲妻を連想させる放射線やジグザグ文様は、スピードと躍動感を表す、アール・デコの象徴的モチーフでした。
 このように本展は、硬質で眩しい光を、優れた芸術感覚により生活の中に取り入れた、20世紀初頭の知恵とセンスに出会う新しい体験となるでしょう。

企画展概要

名称: アール・デコ 光のエレガンス展
会場: パナソニック 汐留ミュージアム
東京都港区東新橋1-5-1パナソニック東京汐留ビル4F
JR・東京メトロ銀座線・都営浅草線・ゆりかもめ「新橋」駅より徒歩6〜10分、
都営大江戸線「汐留」駅より徒歩4分
会期: 2012年7月7日(土)〜2012年9月23日(日)
主催: パナソニック 汐留ミュージアム、東京新聞
後援: フランス大使館、ドイツ連邦共和国大使館、港区教育委員会
休館日: 毎週水曜日、8月11日(土)〜16日(木)
開館時間: 午前10時より午後6時まで(ご入館は午後5時30分まで)
入館料: 一般:700円 大学生:500円 中・高校生:200円 小学生以下:無料
65歳以上の方で年齢のわかるもの提示:600円
20名以上の団体:各100円引(65歳以上は除く)
障がい者手帳をご提示の方、および付添者1名まで:無料

展示のみどころ  ※出品作品は変更になることがあります

T)プロローグ:カラフル

 1920年代を中心にしたアール・デコ期、一般家庭にも電気が普及し、電気照明を利用したシックでモダンなインテリアが生活を激変させました。白熱電球の発明に始まる電気の光は、直線と立体の知的な構成を特徴とする「アール・デコ」の新様式と出会い、新しいラグジュアリーの概念を誕生させました。
 第1章ではカラフルな色彩をテーマに、当時流行した珍しいガラス技法「パート・ド・ヴェール」による作品を紹介します。古代エジプトに起源をもつこの技法は、色ガラスを砕いて粉状にした粒を鋳型に入れ、窯の中で溶かして焼き上げる製法で、1880年代中頃にフランスで再興され、1920年代に人気を博しました。アルジィ=ルソーの常夜灯を始め、ワルター、デコルシュモンなどアール・ヌーヴォーのガレやドームに共通する自然主義に基きながら様式化されたアール・デコの特徴をもつ、色鮮やかな作品が魅力です。

U)サロン:シック

 20世紀初頭の美術運動、キュビスムや抽象主義から強い影響を受けたアール・デコは、幾何学的な形の 処理や色数を抑えたシックな意匠を特徴としています。シンプルで装飾性を抑えたインテリアの中で浮かび上がったのが、素材がもつ質感の魅力です。光は明るさや角度も調整しやすく、木、土(陶磁器)、 石、ガラス、金属、漆、象牙など室内装飾を彩る様々な素材の魅力を最大限に引き出し、質感のハーモニーを一層高めました。
 本章では光を透過する磁器の特質を利用した照明器具を始めとする国立セーヴル製陶所の驚くべき挑戦、アール・ヌーヴォーとは一味違ったドームの量感あふれるアール・デコ作品、金属工芸とガラスのコンビネーション、縞目大理石のシェードをもつ珍しいランプ、そして時代の寵児ジャン・デュナンの漆芸装飾パネルなど、素材使いに特徴のある作品をご紹介します。磨き上げられた名工の技から生まれ、愛好家のサロンを飾った名作の数々です。

ローゼンタール
《山羊付置時計》、
1924年、
岐阜県現代陶芸美術館蔵
≪冬 人物のいる風景≫

V)ダイニング・ルーム:モノトーン

 現代インテリアの基調ともいえるモノトーンな色使いはアール・デコ期の1920年代に芽生えました。豊かな色使いは、かつて高級感を生み出す重要な要素でしたが、人工染料や印刷による壁紙や新たな技術革新で石版などのカラー印刷が出回ったことで、20世紀を迎える頃には必ずしも贅沢さを示すバロメーターとは言い切れなくなっていました。こうして都会的なエリート層の洗練追求の中から、色彩とは対極にある白黒あるいは白のみを基調とする単彩のインテリアが生まれていきました。
 光と影とのハーモニーによりアール・デコ期に新しい空間美を誕生させたルネ・ラリック。彼は電気を利用したモノトーンでシックな光の演出で、ラグジュアリーの概念を塗り替えました。素材の希少性や手間の多寡に負っていた旧来の価値観からいち早く抜け出し、機械的な量産法と芸術性の実現を両立させたラリックのガラス芸術は、20世紀に花開くインダストリアル・アートの先駆けといえるでしょう。
 このコーナーではラリックの天井灯とオリジナル・セットによるテーブル・セッティングを中心に、食の空間に関連する作品を紹介します。

ルネ・ラリック
《テーブル・センターピース「三羽の孔雀」》、
1920年、
北澤美術館蔵
≪冬 人物のいる風景≫

W)エピローグ:レディエンス−閃光:未来へ向かって−

 ラジオや電信電話、自動車、列車、飛行機など、現代生活を支える新しい技術が普及した第一次世界大戦後の1920年代、近代テクノロジーのもたらす快適さを実感し始めた人々は、かつて醜いものとしてなるべく目に触れぬようにされていた機械の躍動感や金属的な質感に共感を覚え、未来への憧れを託すようになります。
電光や稲妻を連想させる放射線やスピードを表わすモティーフは、躍動感溢れるアール・デコの象徴でした。
 光やスピードを主題にしたポスターとオブジェ、「海に浮かぶ美術館」の異名をもつ大西洋横断豪華客船「ノルマンディー号」関連の品々、その迫力を伝えるカッサンドルのポスター、乗船客に配られたパンフレット、船内で使用されたテーブル・ランプや食器類、そして自動車への情熱を掻き立てるラリックのガラス製カーマスコット(車の先端部分のラジエーター・キャップに装着する装飾品)など、閃光を放ち時代を駆け抜けた想い出の品々です。

ルネ・ラリック
《カーマスコット「勝利の女神」》、
1928年、
個人蔵
≪冬 人物のいる風景≫

アール・デコとは?

1910年代から30年代にかけて、フランスを中心に西欧諸国に開花した、後期アール・ヌーヴォーからバウハウスデザイン確立までの装飾様式。名称は「装飾美術」の意で、1925年にパリで開催された「現代装飾美術産業美術国際博覧会」の略称に由来する。直線と立体の知的な構成、抑制された幾何学文様の装飾性、効果的な素材使いに特色がある。

関連イベント

【展覧会記念講演会】

●「アール・デコ、あるいはマチエールの誘惑」
 本展監修者にお話しいただきます。

  • 講師:池田まゆみ(本展監修者、美術工芸史家)
  • 2012年7月21日(土)
  • 13:30〜15:30 (開場13:00)  
  • 会場:パナソニック東京汐留ビル5階ホール
※聴講は無料ですが、本展の観覧券が必要です。
※要予約(定員150名)

◆ 申し込み方法 ◆
2012年6月1日(金)より申し込みの受付を開始します。下記(A)(B)(C)のいずれかの方法で お申し込み下さい。

  1. (A) 汐留ミュージアムwebサイト
    http://panasonic.co.jp/ew/museum
    (締切:7月20日(金)まで) 
  2. (B) パナソニック 汐留ミュージアム 受付
    (締切:7月20日(金)まで。休館日を除く) 
  3. (C)往復はがき
    @本イベント名A参加人数(1通につき2名様まで)B氏名C住所D電話・FAX番号を明記の上、
    〒105-8301 東京都港区東新橋1-5-1-4F パナソニック 汐留ミュージアム 「アール・デコ」展係まで、ご送付ください。
    (締切:7月14日(土)当日消印有効)

受付は先着順、定員になり次第締め切らせていただきます。
問い合わせ:ハローダイヤル 03-5777-8600

  • ※お申し込みにあたってご記入頂いた個人情報は、本イベントの受講管理の目的のみで使用し、終了後に破棄します。
  • ※なお、お申し込み頂いた場合、ご記入頂いた個人情報に関して上述の目的での使用に同意いた だいたものとさせていただきます。

【ギャラリートーク】

●当館学芸員が展示内容を解説します。

  • 2012年7月28日(土)、8月18日(土)、9月8日(土) 
  • 各14:00〜
  • 参加費無料 ※予約不要
  • 会場:パナソニック 汐留ミュージアム

【ご参考】
パナソニック 汐留ミュージアム概要

展示室 面積:450m2 天井高さ:3.7m
ルオーギャラリー フランスの画家ジョルジュ・ルオーの作品を常設展示。
ルオーは独特の太い描線、厚く塗り込められた絵の具、ステンドグラスを想わせる光り輝く色彩で、 道化師や裁判官、聖書風景などを描き続けました。
当館の所蔵作品よりテーマ展示をいたします。(ジョルジュ・ルオー所蔵作品数:約230点)
ミュージアムショップ パナソニック 汐留ミュージアムオリジナルグッズをはじめ、各展覧会に合わせた関連書籍、グッズ等を販売いたします。

今後の展覧会予定 (展覧会・会期は変更になることがあります。)

会期

展覧会名称

内容

2012年10/6(土)
〜12/16(日)
ジョルジュ・ルオー
アイ・ラブ・サーカス
サーカスはジョルジュ・ルオーが絶えず追求した主要なテーマです。道化師を中心にサーカスにまつわる多様な人物を描き、誰よりも優れた「道化師の画家」と呼ばれています。本展では、パリのルオー財団の特別協力のもとポンビドーセンター、パリ市立近代美術館などからサーカスをテーマにした作品が一堂に出品。また未公開作品や資料を通し、19-20世紀初頭のモンマルトル風俗を含めた当時の社会的・文芸的文脈を追い、サーカスに、まつわるルオーの全てを解き明かします。

お問い合わせ

ハローダイヤル 03-5777-8600
関連サイト http://panasonic.co.jp/ew/museum/

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