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パナソニック株式会社の企業ミュージアム、パナソニック 汐留ミュージアムは「ジョルジュ・ルオー 名画の謎」展を2012年4月7日(土)から2012年6月24日(日)まで開催いたします。
「ベールに包まれたルオーの技法を徹底解剖」
当館では、収蔵するジョルジュ・ルオー(1871-1958)の作品の状態点検を継続して行い、必要に応じて修復作業を行って参りました。こうした作業を通して判ってきた、作品の抱えるさまざまな謎や秘密を紹介しながら、収蔵作品を一挙大公開いたします。
ルオーは近代の画家のなかでも、特に独自性のある制作手法を用いていたといっても良いでしょう。キャンバスを使用しない。イーゼルも使わない。同時並行で何枚もの作品を描く。乾いていない作品でもどんどん積み重ね、作品を完成させない。様々なこれらのエピソードが生まれた画家のアトリエの扉は、常に閉ざされ、誰の立ち入りも許しませんでした。
そんなルオーの制作の秘密は、現代の修復と状態確認の技術で少しずつ明らかになっています。 制作時の技法の紹介とともに、作品を詳細に見続けることで分かってきた絵画の秘密。また、逆に深まる謎とその解明など、名画にまつわるさまざまなミステリーとエピソードをご紹介します。新収蔵作品も含めた、当館収蔵作品の数々の新たな一面にご注目下さい。
名称: | ジョルジュ・ルオー 名画の謎 |
会場: | パナソニック 汐留ミュージアム 東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル4F JR・東京メトロ銀座線・都営浅草線・ゆりかもめ「新橋」駅より徒歩6〜10分、 都営大江戸線「汐留」駅より徒歩4分 |
会期: | 2012年4月7日(土)〜2012年6月24日(日) |
主催: | パナソニック 汐留ミュージアム |
後援: | 港区教育委員会 |
休館日: | 毎週水曜日(4月から休館日が変更になります) |
開館時間: | 午前10時より午後6時まで(ご入館は午後5時30分まで) |
入館料: | 一般:500円 大学生:300円 中・高校生:200円 小学生以下:無料 65歳以上の方で年齢のわかるもの提示:400円 20名以上の団体:各100円引(65歳以上は除く) 障がい者手帳をご提示の方、および付添者1名まで:無料 |
展覧会は、主に制作年の順に作品を展示いたします。その際、大まかに初期(1890年代〜1920年代)・中期(1920年代〜1940年代)・後期(1940年代〜晩年)を章立ての区切りとしながら、各時代の特徴である「色」「形」「ハーモニー」を謎解きのキーワードに設定して展開いたします。
ルオー絵画の初期にみられる青、金および黒の変遷をたどりながら、色を手がかりにルオー絵画の謎に迫ります。
ルオーは画家としての活動の初期には青を多用しています。初期の青い作品は、油彩ではなくグワッシュ(不透明水彩のこと)や水彩によって描かれています。画面を観察すると共にルオーの記述を紐解き、なぜ「青」を多用したのかを解き明かします。
≪風景、乗馬≫ 1911年 当館蔵 |
≪ブルターニュ風景≫ 1915年 当館蔵 |
「青」の前には「金」の時代がありました。美術学校時代を含めアカデミックな技法での制作の時期に作品はいずれも、作品の画面奥から淡く発光するような控えめな輝きを放ち、金色の印象を与える作品です。
ルオーの受けた美術教育に遡り、最初期にのみ使用された支持体の特色から、金を想起させる画面作りの謎に挑みます。
≪ゲッセマニ≫ 1892年 当館蔵 |
≪人物のいる風景≫ 1897年 当館蔵 |
1914年からルオーは代表的版画集の『ミセレーレ』の制作に取り掛かります。白と黒の濃密な諧調で 表現する銅版画制作に没頭することで、逆に色彩への感覚を鋭くしていきました。色を抑えることで、ルオーが獲得したものは何か。同時に制作された版画集『ユビュおやじの再生』に加え、石版画作品も含めたモノクロ版画を手がかりに、ルオーの「黒」の謎を推理します。
ルオーは人物像を多く描きました。1910年代までは、サーカスの団員や裸婦など、確かなデッサンで人体を正確に描いていましたが、やがて独特のデフォルメが行われ、ルオーならではの典型が出来上がります。長く伸びる腕や丸みを持たせた腹部など、なぜこのプロポーションなのか。技法や素材が果たした役割も視野に入れながら、人体のフォルムへの謎解きを行います。
≪踊り子と白い犬≫ 1920-29年 当館蔵 |
≪きむずかし屋≫ 『流れる星のサーカスより』 1935年 当館蔵 |
1930年代からのルオーの風景画は、一つの型をもとにいくかのバリエーションで描かれています。 実景ではなく、空想上の聖地を画いた風景画なのですが、なぜその型で表現されるようになったのか。 そして、イメージの原型はどこか。ルオーの風景画が持つもう一つの聖地への旅へ出ましょう。
≪冬 人物のいる風景≫ 制作年不詳 当館蔵 |
「色・形・ハーモニー」の三要素を絵画における三位一体として、制作の最も重要なポイントとしていたルオー。第三部ではその言葉をもじって、さまざまな要素の融合と調和によって構成された作品の一解釈をご紹介します。
さらに、晩年の色鮮やかな、色と形の調和した作品が並びます。
●例1≪キリスト≫から探るルオーの主題の謎
横向きのキリストを描いた≪キリスト≫は、もともと版画作品でした。モノクロの版画の上に油彩で色を加え、背景には雲や風景を書き加えています。この加筆によって、ルオー絵画におけるキリストと道化師の意味が明らかになります。
≪キリスト≫ 1937-38年 当館蔵 |
≪辱められるキリスト≫ 『ミセレーレ』より 1922年 当館蔵 |
●例2≪キリストと子供≫にみる制作の謎
≪キリストの子供≫はオリジナルの状態は、薄い紙に描かれていました。作品が書きあがった後に、
周囲をハサミでトリミングし、三重に紙で裏打ちされています。また、周辺のブルーグレーの囲みは、紙で裏打ちした後に塗られています。ルオーはハサミと糊を使って、自作の加工をしていたのだろうか。
状態点検から、不思議なコラージュのような本作品の謎が解明されていきます。
≪キリストと子供≫ 制作年不詳 当館蔵 |
ジョルジュ・ルオー略歴 | |
1871年パリ生まれ。1958年没。ステンドクラス職人のもとで見習いの後に国立美術学校に入学。ギュスターヴ・モローに師事。1903年、師モローの遺言によりモロー美術館の初代館長に就任。この頃から道化師や娼婦を題材とした作品を発表する。1914年からは画商ヴォラールのために版画も制作し、1918年以降は宗教的主題を多く描く。晩年の油彩画はルオー独自の輝くような色彩を特徴としている。 |
◆ 申し込み方法 ◆
2012年4月7日(土)より申し込みの受付を開始します。下記(A)(B)(C)のいずれかの方法で
お申し込み下さい。
受付は先着順、定員になり次第締め切らせていただきます。当選の方のみ受講票を返信します。
問い合わせ:ハローダイヤル 03-5777-8600
展示室 | : | 面積:450m2 天井高さ:3.7m |
ルオーギャラリー | : | フランスの画家ジョルジュ・ルオーの作品を常設展示。 ルオーは独特の太い描線、厚く塗り込められた絵の具、ステンドグラスを想わせる光り輝く色彩で、 道化師や裁判官、聖書風景などを描き続けました。 当館の所蔵作品よりテーマ展示をいたします。(ジョルジュ・ルオー所蔵作品数:約220点) |
ミュージアムショップ | : | パナソニック 汐留ミュージアムオリジナルグッズをはじめ、各展覧会に合わせた関連書籍、グッズ等を販売いたします。 |
会期 |
展覧会名称 |
内容 |
---|---|---|
2012年7/7(土) 〜9/23(日) |
アール・デコ 光のエレガンス Elegance Illumination: Art Deco Lights |
1920年代、直線と立体の知的な構成を特徴とするアール・デコ様式が席巻していたヨーロッパでは、シックでモダンなインテリアが生活環境を激変させることにもなりました。その中は電球の発明による照明器具ももちろん含まれていました。本展では、ラリック、セーヴル国立磁器製作所、ドームなど、アーティストが手がけたデザイン性豊かな 照明器具を中心に、デーブル・セッティングや家具を用いての再現コーナーを交え、アール・デコの芸術的空間演をご紹介します。 |
ハローダイヤル 03-5777-8600
関連サイト http://panasonic.co.jp/ew/museum/