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09 ソーラーカー

ソーラーカーで一番になりたい。学生たちの夢をかなえる道のりにエナジーソリューションで挑んだ。
2011ワールド・ソーラー・チャレンジ 25年の歴史をもつソーラーカーレース。オーストラリア大陸を縦断しタイムを競う。

表彰台のてっぺんを目指そう。

オーストラリア北部のダーウィンから南部のアデレードまで、
約3000kmの道のりを約1週間かけて縦断しタイムを競う
「2011ワールド・ソーラー・チャレンジ」。
この世界最大級のソーラーカーレースに21の国や地域から
44チームがエントリーしました。前回大会で優勝を果たした
東海大学チームには二連覇がかかっていたのですが、
年々、出場チームが技術を向上させていくなかで、
東海大学が再び表彰台の一番高いところにのぼるためには、
ソーラーカーの性能を限界まで追求しなければならない。
そこで、業界最高水準※の発電効率をもつ
パナソニックの太陽電池と、高容量のリチウムイオン電池に
白羽の矢が立ったのです。

※ 太陽電池容量1kWあたりの年間予想発電量 約1,169kWh/kW
(設置条件:大阪府大阪市 間南設置 設置角度30度) 2011年9月現在、
国内の住宅用太陽光発電システム業界において、当社調べ

太陽電池パネル開発・設計プロジェクトリーダー
津毛定司
ソーラーカーに搭載する太陽電池を開発。レースにも同行し、メンテナンスも担当した。

若者たちの夢に太陽電池で応えたい。

ソーラーカーに求められる太陽電池パネルの条件は、
発電効率が高いこと、軽量であること、そして、
車体の曲面に貼らなければならないので薄く曲げやすいこと。
パナソニックの技術者は、住宅用のパネル構造を基本にしながら、
さらに軽量で薄型化できる材料を探しテストを繰り返しました。

津毛「ソーラーカー用の電池開発は初めての経験だったので、
材料の選定にはとても苦労しました。
しかし、完成したソーラーカーを見せてもらったら、
あまりの美しさに、それまでの苦労なんて一瞬で吹き飛んだ。
私たちは学生たちの夢をかなえようと開発に臨んだのですが、
逆に、私たちの夢を彼らがかなえてくれたような
気持ちになりました。」
ソーラーカー用に開発した太陽電池モジュール。手で曲げることができる。 HIT(R)は細かく切ることができるのも特徴。モジュールの隙間を減らすことができ、車体を50mm狭めることに貢献した。

暑さを武器に変える。

太陽電池は一般的に温度が上がると発電効率が
下がるという特徴があります。そのため、時に気温が
40℃近くなることもあるオーストラリアの気候は、
ソーラーカーにとって実はあまり有利とは言えませんでした。
しかし、パナソニックのHIT®は優れた温度特性をもち、
高温下でも高い出力が得られるため、
他のチームよりも、より多くの電気を
つくることが期待できました。

HIT(R)太陽電池は優れた温度特性により、夏場の高温時でも高い出力が得られる。
・大阪市 真南設置 設置角度30度
・当社発電量シミュレーションによる月間の予測発電量

出場チームの多くが、リチウムイオン電池を使った。

レースは朝8時から夕方17時まで。レースがストップしたところでホテルなどが
あるわけではないので、テントを張ってキャンプで夜を明かします。
17時から日没までの間は、明日の戦いを左右する貴重な時間。ソーラーカーを傾け、
太陽電池を太陽光に向けて電気をつくり、蓄電池に充電します。
曇りや雨などで発電量が足りないときに使うのです。今大会では、東海大学をはじめ
出場チームの多くがパナソニックのリチウムイオン電池を採用し、
軽量・高密度・高容量で、安定した充放電を実現する
リチウムイオン電池がゴールまでの長く険しい道のりを支援しました。

左:車体を太陽光に向け、発電した電気をリチウムイオン電池に充電。
右:学生が2週間かけて組み上げた蓄電システムには、450本のリチウムイオン電池が使われた。

上位をキープし続けたレース。

予選

レース前日には予選では、1周2.9kmのサーキットを走り、
初日の出走の順番を決定しました。東海大学の目標タイムは、
前回大会と同じ2分7秒。それ以上のタイムを出してしまうと
ソーラーカーの故障につながるおそれもあるため、
同タイムを目指したのです。結果は狙い通り2分7秒を達成し、
順位は5位。本選で上位を狙える位置につけることができました。

予選で狙い通りのタイムを達成。

1〜3日目

レース1日目は強風のため、車体が風にあおられ、
どこのチームも安定した運転に苦労していました。
そんな悪条件の中、5番目にスタートした東海大学。
今大会で5回目の出場となったベテランドライバーをはじめとする
学生たちの力で一気に2台を抜き、さらにもう2台を抜きさって一位に浮上。
レース2日目には山火事でレースが中断するというハプニングも
ありましたが、3日目まで一位通過を守り抜きました。

コックピットに乗り込むドライバー。走行中に視界が開けた瞬間が気持ち良いそうだ。

4日目

時速100km以上で駆け抜ける。

レース4日目は、空が晴れ渡り、ベストコンディション。
午前中は、蓄電池を使うことなく太陽電池パネルの
電気だけで、時速100km以上の速度を保って走り続けました。
午後は雲が出てきたのですが、次の日の
レース最終日に備えて時速を80〜90kmに落として
リチウムイオン電池に電気をためる作戦をとり、
最終日が雨だとしてもゴールまでたどりつける
量の電気をたくわえながら、
一位通過で90%の距離を走り終えました。

最終日

レース最終日の5日目朝。二位との差はわずか15分ほどでした。
トラブルが一つ起きれば逆転される可能性もある距離でしたが
トラブルもなく、リチウムイオン電池は前日の作戦でフル充電。
かなり雲がかかっていたアデレードに向かう道を、時速100kmを
キープして走り抜け、二位との差を65分にまで広げて
一番でゴールに入りました。

津毛「優勝の瞬間、学生たちと戦い抜いた達成感で
胸がいっぱいになりました。太陽電池の開発を24年間続けてきて、
こんなにも感動したのはこの日が初めてかもしれない。
一生忘れられない体験になりました。」
見事、二連覇を達成。

未来のエンジニアに思いをつなぐ。

津毛「志の高い学生たちと過ごした時間はとにかく楽しかった。
『モノづくり企業で活躍したい。』
『エコカーづくりにたずさわりたい。』
学生たちはあふれる夢を語ってくれました。
彼らには、環境技術だけでなく、環境に根ざしたモノづくりの
大切さや意義を伝えることができたのではないかと思っています。
昼夜いとわず生き生きと取り組む彼らの姿を見て、
私もがんばらなければと思いを新たにすることもできました。」

パナソニックは、未来を担う学生たちへの技術的な支援を通じて、
環境技術と環境意識の向上に貢献していきます。

学生たちは、エネルギーの大切さを強く実感できるようになったという。
左:インフィニオン・レースウェイ(アメリカ)
右:ブラックフライアーズ駅(イギリス)

HIT(R)太陽光発電システムを世界へ。
パナソニックは、アメリカのモータースポーツ施設や
イギリス・テムズ川に架かる駅をはじめとする世界のさまざまな
場所へ、大規模太陽光発電システムを納入しています。
そこで大切にしているのは、CO2削減など環境への
やさしさだけでなく、美しい景観を保つこと。
その土地の風景にとけ込み、人々にエコ意識を
広げていくことまでも追求していきます。

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