現場主義のデザイン タフパッド

写真:FZの雨の中での使用写真

タフパッドFZ-N1は、物流・小売・公共・医療・建築など、さまざまなビジネス現場で使われる。
他にない個性的なフレームデザインはタフパッドシリーズのアイデンティティであり、商品特長の「頑丈」を機能的にデザインした結果だ。屋内はもとより雨に濡れて滑りやすい日でも、厚い手袋で操作していても使いやすい筐体設計でお客さまのビジネスを効率化するプロダクト+ソリューションのデザインを目指した。

写真:FZのバーコード読取部の拡大写真 徹底した観察から

デザイン開発にあたって、お客さまの仕事現場に張り付き、さまざまな業界のワークフローを徹底的に調査・分析した。現場密着はパナソニックのソリューションデザインのもっとも得意とする観察スタイルで、課題の糸口を探す方法だ。

今回発見した課題のひとつは、貨物のバーコードを読み取る物流業界の調査中のことだった。
ユーザーは端末を貨物に向けてバーコードを読み取ったあと、端末を見やすい方向に向け直して操作する。端末の持ち替えや度重なる視線移動という手間が発生し、煩わしい作業の積み重ねで、かなりの時間と労力をロスしていることが分かった。そこで、二つの作業をひとつにまとめるため、斜め配置のバーコードリーダーを発案。こうすることでタブレットの画面を見ながらバーコードの読み取り操作が同時にできるようにできた。

写真:FZのガード部の拡大写真 機能美と引き算のデザイン

外周を囲った黒いフレームは、頑丈を表すタフさの象徴であり、衝撃からボディを守るための機能美の外観デザインだ。2色成型のエラストマー素材が圧力を吸収・反発することで、ボディをプロテクトしている。

また、加飾や塗装を避けた引き算のデザインは、外装の劣化を最小限にする工夫だ。何年もの間変わらない品質でお客さまに使っていただくためで、タイムレスな価値提供を目指している。

写真:FZの側面の拡大写真 ソリューションデザインの原点

様々な症状の患者と真剣に向き合い、命を預かる医療施設、汗の滴る夏も凍える冬も何千何万もの貨物が行き来する物流倉庫。タフなビジネス環境はそれを身をもって体験してみないと課題の本質が見えてこない。
デザイナー自らがひとつひとつの現場に密着し、肌で読み取ることがソリューションデザインの原点と信じる。

これからも現場発想のアプローチで、お客さまの仕事の合理化や新たなワークスタイルの実現に貢献していきたい。