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プレスリリース


2008年3月25日
リチウムイオン電池の小型・薄型化と低消費電力化に貢献

リチウムイオン電池保護回路向けパワーMOSFETを開発

2008年3月末よりサンプル出荷開始


リチウムイオン電池保護回路向けパワーMOSFET(データ容量:100KB)

【要旨】

松下電器産業(株)は、ノートパソコン、携帯電話などのリチウムイオン電池保護回路[1]用途のNチャネル型[2]パワーMOSFET(金属酸化膜電界効果トランジスタ)[3]2品種(製品品番 30V耐圧:MTMF8233、20V耐圧:MTM78E2B)を開発し、2008年3月末よりサンプル出荷を開始します。

【効果】

本製品を使用することにより、ノートパソコン、携帯電話などのセット商品に搭載されるリチウムイオン電池の小型・薄型化、および 低消費電力化が可能となります。

【特長】

本製品は以下の特長を有しております。

  1. 消費電力を37%減(当社従来比)
    MTMF8233では、微細プロセスルール(0.25μm)と新構造の採用により、標準で1.9mΩの低オン抵抗[4]化が可能となり、ノートパソコンなどの低消費電力化に寄与
  2. 実装面積を約1/2に小型化(当社従来比)
    MTM78E2Bでは、小型パッケージ化が可能となり、携帯電話などの小型・薄型化に貢献
  3. リチウムイオン電池保護回路に対応
    異常時に生じる過電流[5]に対する耐量性を有し、保護回路基板の異常発熱抑制に寄与

【内容】

本製品は以下の技術によって実現しました。

  1. 0.25μmルールのトレンチ型MOSFET構造[6]の最適設計を可能にする設計ツール(T-CAD[7])の採用により、従来よりも37%減の低オン抵抗化を実現した、半導体シミュレーション技術
  2. ハロゲンフリー樹脂[8]フラットリード電極[9]の採用により、環境対応と薄型・小型化を実現した、パッケージ技術
  3. アバランシェ[10]耐量の向上を実現した、高耐量化技術

【従来例】

30V耐圧の従来品では、ノートパソコンのような大きな電流を扱う商品において、消費電力が増大する問題がありました。また、20V耐圧の従来品では、携帯電話のような小型の商品において、さらなる小型・薄型化ができない問題がありました。したがって、大きな電流が流せる小型パッケージの製品が求められていました。

【実用化】

サンプル出荷開始 : 2008年 3月末  サンプル価格 :(数量応談)

【照会先】

(報道関係者様)
半導体社  企画グループ  広報チーム     中小路  陽紀  TEL:075-951-8151
                          E-mail:  semiconpress@ml.jp.panasonic.com

(お客様)
パナソニック半導体ディスクリートデバイス株式会社
                        営業統括部     太田  公昭    TEL:075-871-1500

【特長の説明】

  1. 消費電力を37%減(当社従来比)
    MTMF8233では、微細プロセスルール(0.25μm)と新構造の採用により、標準で1.9mΩの低オン抵抗化が可能となり、ノートパソコンなどの低消費電力化に寄与
    業界トップクラスの微細プロセスルールとT-CADによるシミュレーション技術により構造の最適化を行いました。MTMF8233は、従来品よりも37%減の低オン抵抗化を実現しました。
  2. 実装面積を約1/2に小型化(当社従来比)
    MTM78E2Bでは、小型パッケージ化が可能となり、携帯電話などの小型・薄型化に貢献
    電子機器の小型・薄型化に伴い、リチウムイオン電池の小型・薄型化が要求されています。
    MTM78E2Bは、WSMini8ピンパッケージ(縦 2.1×横 2.0×高さ 0.7mm)で、従来品のWMini8ピンパッケージ(縦 2.9×横 2.8× 高さ 0.8mm)に比べて約1/2の実装面積を実現しました。
  3. リチウムイオン電池保護回路に対応
    異常時に生じる過電流に対する耐量性を有し、保護回路基板の異常発熱抑制に寄与
    近年はリチウムイオン電池の安全性向上が求められており、保護回路の信頼性も重要となっています。本製品は、電池外部端子の短絡や、不適合の充電アダプターを接続したときなどの異常時に生じる過電流に対しての耐量性を向上させており、正常に過電流を遮断することで保護回路基板の異常発熱の抑制を可能にします。

【内容の説明】

  1. 0.25μmルールのトレンチ型MOSFET構造の最適設計を可能にする設計ツール(T-CAD)の採用により、従来よりも37%減の低オン抵抗化を実現した、半導体シミュレーション技術
    業界トップクラスの45nmルールのシステムLSIプロセス開発時にも用いられた、半導体プロセスおよび 電気特性のシミュレーション技術により低オン抵抗化を実現しました。
  2. ハロゲンフリー樹脂とフラットリード電極の採用により、環境対応と薄型・小型化を実現したパッケージ技術
    フラットリード電極の採用により、薄型化できただけではなく、ハロゲンフリー樹脂を用いたパッケージ封止技術を確立しました。当社のMTMシリーズのパワーMOSFETは、全てこの技術により環境負荷低減を実現しています。
  3. アバランシェ耐量の向上を実現した、高耐量化技術
    パワーMOSFETの耐量性を示す指標であるアバランシェ耐量の向上を、ウェル[11]部分の濃度を最適化する安定動作技術により実現しました。

【暫定仕様】

品番 MTMF8233 MTM78E2B
用途 ノートパソコン 等 携帯電話 等
パッケージ名 SO8
(ハロゲンフリー樹脂)
WSMini8
(ハロゲンフリー樹脂)
パッケージ内のMOSFETの数 Nチャネル型 × 1 個 Nチャネル型 × 2 個
パッケージサイズ(標準) 6.0(縦)×5.0(横)
×0.95(高さ)mm
2.1(縦)×2.0(横)
×0.7(高さ)mm
絶対最大定格 ドレイン耐圧 30 V 20 V
ドレイン電流 20 A 4.0 A
許容損失 1.0 W 0.7 W
閾値 (ID=1.0mA、VDS=10V) 1.4 〜 2.5 V 0.4 〜 1.3 V
ドレイン・ソース間オン抵抗(標準) 1.9 mΩ
(VGS=10V)
22 mΩ(シングル)
(VGS=4.0V)
アバランシェ耐量(ピーク電流値) 130 A 16 A
内部回路図

【用語の説明】

[1] リチウムイオン電池保護回路
リチウムイオン電池の機能を異常時に停止させるための保護回路のことです。
[2] Nチャネル型
トランジスタの動作において、電気伝導に寄与するのが電子であるMOSFETのことです。
[3] パワーMOSFET(金属酸化膜電界効果トランジスタ)
ゲートから印加した電界により半導体層内部の導電性を制御できる効果を利用して電流のオン、オフを行うパワートランジスタのことです。ソース電極、ドレイン電極、ゲート電極の3端子で構成されています。
[4] オン抵抗
MOSFETをオン状態(導通状態)にした場合の、ソース電極とドレイン電極との間に構成される抵抗のことで、ドレイン・ソース間オン抵抗とも言います。 MOSFETの消費電力を決定づける重要な特性です。
[5] 過電流
数十〜数百μ秒のオーダーの短時間で流れる数十アンペア級の大電流を指します。
[6] トレンチ型MOSFET構造
シリコン層内部に鉛直(たて)方向に溝状のゲート電極を形成したMOSFET構造のことです。
[7] T-CAD(Technology-CAD)
プロセスシミュレーターとデバイスシミュレータを統合したシミュレータのことで、コンピュータ上で半導体プロセス および 電気特性をシミュレートすることができます。
[8] ハロゲンフリー樹脂
難燃剤の一種であるハロゲン元素の臭素(Br)を使用していない樹脂のことで、環境に負荷を与えない樹脂として注目されています。
[9] フラットリード電極
パッケージからフラットなリード端子が出ている電極のことです。リード端子に曲げ部分がないため、パッケージの高さを薄型化することが可能です。
[10] アバランシェ
MOSFETがオン状態からオフ状態になったときに、ドレイン電極とソース電極間の電圧が、定格電圧を超えて高く跳ね上がり、電流が流れている状態のことです。
[11] ウェル
チャネルが形成されている拡散層のことです。

以上


プレスリリースの内容は発表時のものです。
商品の販売終了や、組織の変更等により、最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。
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