さる2011年6月29日、東京臨海副都心にあるパナソニックセンター東京において「キャパシティビルディングフォーラム」を開催しました。本フォーラムは、NPO法人パブリックリソースセンターとパナソニックが主催するもので、NPO・NGOや社会起業家、助成財団、企業のCSR・社会貢献担当、中間支援団体、コンサルタント、研究者など125名の方に参加いただきました。
NPOのキャパシティビルディング(組織基盤強化)支援に10年にわたって取り組んできた「Panasonic NPOサポート ファンド」の成果分析や問題意識をもとに、NPOの組織力とキャパシティビルディングの重要性について、取り組み事例やマネジメント支援者の実践報告、パネルディスカッションをとおして議論を深めました。

金村俊治(パナソニック(株)
社会文化グループ)
「Panasonic NPOサポート ファンド」は、NPOのキャパシティビルディングを支援することを通じて、組織基盤が強化されて事業力がより高まり、社会課題の解決に向けてNPOのソーシャルインパクトが拡大されることを狙っています。この10年間で170件、2億円の助成を行い、昨年設立10年を期にプログラムの第三者評価も実施しました。その結果、助成団体の98%が「助成事業によって組織の運営上の課題が解決できた」、更に70%が「事業成果の改善・向上につながった」と回答しています。
10年間の助成事業を通して私たちが感じたことは、組織基盤強化の助成を効果的に行うためには、各団体の「組織基盤や運営上の課題」、「活動・組織の将来ビジョンや基盤強化の目標」の明確化が非常に重要だということです。そこで今年からは、自己変革を遂げるために組織の課題分析を適切に行ってもらおうと、助成プログラムを2段階に分けることにしました。まず、「組織診断助成」で第三者の視点を入れた組織診断を実施し、組織課題の深掘りと優先課題の目標を設定し、課題解決策を策定いただきます。その後、「キャパシティビルディング助成」として、課題解決のための具体的な計画の実行を支援していきます。社会を変えるために、組織の抱える問題を的確に捉え、自己変革を最後までやりきる強い意志を持った団体の応募を期待しています。
- Panasonic NPOサポート ファンドとは
- NPOのキャパシティビルディングは有効か
(Panasonic NPOサポート ファンドが過去に支援したキャパシティビルディング事業の有効性についてご報告)

川北秀人氏(IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]代表者)
キャパシティビルディングがなぜ必要なのか。その意義を確認には、まず市民団体が活動を行う目的をはっきりさせる必要があります。市民団体の目的は組織を大きくすることではなく、社会により良い影響を与えること。そのために、どういう力を持つべきかが大事なのです。
市民団体にとって、組織の維持や事業の継続は、あくまで手段です。組織の規模を大きくして視野を広げることより、足元の地域を深く見ることの方が大事かもしれません。自分たちの経験を他の人に伝えて、同じように動ける人を増やす方が、効果的かもしれません。
つまり、自分たちのキャパシティではなく、社会を変える力をどう大きくするかが、テーマのはずです。そこで考えていただきたいのは、「自分たちが何のために社会を動かしたいのか、そのために必要なことは何か」。そのために、自分のまわりにどういう生態系、どういうネットワークが必要か。それこそが私たちのキャパシティ=基礎基盤です。
みんなと一緒に社会を創っていく借り物競走の感覚で、いま一度キャパシティビルディングを考え直していただければと思います。
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- (キャパビルの取り組み事例報告・マネジメント支援者による実践報告)

