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組織基盤強化事業の第一歩は
組織を見直し、課題を整理すること
組織基盤強化ワークショップ&公募説明会
2009年6月20日、熊本県熊本市「EPO九州(九州環境パートナーシップオフィス)」にて、「組織基盤強化ワークショップ&公募説明会」が開催されました。組織基盤強化ワークショップはEPO九州主催の「環境教養講座」の一環としても開催され、9団体17名が参加。自分たちの組織が抱える問題点や課題、様々な観点からの現状分析をワークシートを使いながら見直す作業を行なうと同時に、事務局からは助成プログラムの趣旨・特徴について説明があり、参加者の皆さんの応募に対する意欲はさらに高まったようです。

開催にあたって

パナソニック株式会社
社会文化グループ 金村俊治

組織基盤を強化して、企業や行政と対等な協働を

 パナソニック NPOサポート ファンドは、「社会課題の解決の促進に向けて、NPOが持続的に成長できるよう、組織基盤の強化を支援する」ためのプログラムです。
 当社では、「育成と共生」を活動理念に掲げて社会貢献活動に取り組み、社会において重要な役割を担うNPOとも積極的に協働してきました。日本の市民活動団体は、欧米と比べると組織基盤が弱いように感じます。そこで、2001年にこのファンドを立ちあげ、NPOの組織基盤強化の支援を始めました。資金援助だけではなく、助成事業に対するコンサルティングも行います。素晴らしい市民活動はたくさんあります。このプログラムでみなさんが組織基盤を強化し、企業、行政と対等に協働し、日本の市民社会がよりしっかりとしたものになって欲しいと期待しています。

九州環境
パートナーシップオフィス
コーディネーター  田上辰也氏

 EPO九州は、市民活動や環境に携わる市民や行政、企業などの情報をお互いに交換しながらパートナーシップを図る環境省の中間支援組織の拠点です。2007年9月にできたばかりですが、HPやメルマガの発行、環境政策や企業の環境CSRなどの学習、ESDの推進、「環境教養講座」の定期開催などもしています。今回は、パナソニック NPOサポート ファンドとの協働による相乗効果を期待してワークショップを開催しました。EPO九州は会議やイベントを行うスペースや、さまざまな資料や情報が揃っていますし、助成金の情報や資金調達に関してもご相談にのります。運営スタッフは民間のNPOスタッフですから、活動のお悩み解決にも力になりますよ。気軽に利用していただければと思います。

NPO法人ふくおかNPOセンター
代表 古賀桃子氏

 社会サービスの担い手には、市民と企業と行政という3つのセクターがありますが、ここ十数年でその状況に変化が見えます。まず、1998年に成立した特定非営利活動促進法(NPO法)によって市民活動への関心が飛躍的に向上しました。現在、全国で3万7千以上の法人格を有する団体が活動をしています。一方、行政はさまざまな変化のなかで改革を迫られ、協働という言葉のもと、NPOや企業との連携に注目しています。そして企業はCSR(企業の社会的責任)の向上に向けた積極的な取り組みが始まっています。
 いま、私たちの前には、人権や生命、環境など、単独の力では解決し得ない問題が山積みです。その問題を各セクターが協働して解決することが必要な時代が到来し、市民の力も期待されているのです。

第一部 組織基盤強化ワークショップ 信頼されるNPOの7つの条件

第一部は、福岡でNPOの中間支援を行っている古賀桃子氏のワークショップが行われました。まず「信頼されるNPOの7つの条件」という資料が配布されます。「この資料は、全国のNPO支援組織のスタッフが、『NPOならばこうあって欲しい』と思い描いた姿が簡潔にまとめられています。組織を見直すにあたって必ずや役に立つものですので、持ち帰って是非みなさんで読んでください」
ワークショップ「組織の現状と課題の“見える”化」

 続く約2時間は、「信頼されるNPOの7つの条件」の一部をワークシートの作業を通して検討する、組織基盤強化に向けた組織の運営状況の検証と、課題の“見える化”を行うためのワークショップです。まず、各自で組織が抱える課題ベスト3を書き出し、その多様な悩みをテーマごとに切り分けながら各論へ進みます。

ワーク1 「人」のかかわりチェック!
 組織のまわりにいる人々の名前や肩書き、そして必要な人材を書き出します。「実際に書いてみると、思ったより多様なステークホルダーの存在に気づくでしょう。活動の段階や目的に応じて、さまざまなスキルや専門性、ネットワークを持った人材が必要となります。その獲得方法も、求める人材像に応じて検討することが大事です」
ワーク2 「組織の元気度チェック」
 団体の組織図を作成すると同時に、組織を「私自身の満足度」「笑顔度」「参画度」「透明度」「敏捷性」の5項目で採点し、組織のバランスを見直します。「しっかり活動を展開している団体は、たいてい組織図のコアメンバーからなる役員体制とともに、作業部会があって、部会員や担当理事の個人名まで書き込んでいます。その背景には、有志のボランティアだからこそ所属意識は明確にという思いがあるようです。組織図には組織の方向性が現れますよ」
ワーク3 「組織の財政状況を点検しよう」
 NPOの資金源には、会費、自主事業収入、寄付金収入といった自主財源、受託事業収入、助成金・補助金収入といった依存財源があります。全体収入における各項目の割合を、直近の決算年度分と現状について円グラフにします。「こういう作業を理事会などで行えば、課題や現状を共有できますね」
ワーク4 「コミュニケーション体力測定」
 組織のコミュニケーションに関わる取り組みをすべてあげ、その目的や手段、実施頻度や体制、満足度を書き出し、全体のバランスを俯瞰します。「内部向けのコミュニケーションでは、イベントごとに簡単なふりかえりシートを記入したり、飲食をともにすることも非常に有意義です」
ワーク5 「ソモソモ、何のために」ミッションの確認
 参加者自身のミッションを見直します。関心事項や思い描く未来、そのために必要なことなどを具体的に思い描きます。「日々の業務に追われると、本来の目的を忘れてしまいがちです。自らのミッションの確認が組織を見直すきっかけになるかもしれません」

 最後に全員が作成したワークシートを机に広げて閲覧タイム。配られたポストイットに、参加者各人が、ワークシートの内容に対する感想やヒントを書いて貼って回ります。参加者全員のアドバイスが貼りついたワークシートは貴重なお土産となったはずです。

第二部 公募説明会

活動や成果物「OUT PUT」から、さらに波及効果「OUT COME」を期待

 毎年、本助成に対して多くのご応募をいただきますが、実は助成の趣旨が理解されていないために選外となる案件は4割もあります。「組織基盤強化に対する助成」という趣旨をまずきちんと理解してください。
たとえば、単に「苗木や備品を助成金で買って森づくりをする」といった団体本来の活動案件は支援しないというのが本助成の特徴です。私たちは、団体の活動を支える基盤、つまり人材や資金調達力などを強化するための取り組みを支援します。活動や成果物「OUT PUT」より、それをやったことで見込める会員数や認知度のアップといった波及効果「OUT COME」で基盤強化が望めるかどうかが大事なのです。
  また、申請書を作るうえで、組織の問題点をあげて、その原因や課題分析が的確にできているかどうかも重要な選考上のポイントです。めざすビジョン、解決すべき課題、その課題解決のために何をやるのか、という物語の流れが一貫して書かれていることが大事です。
  事務局では四半期ごとに事業の進捗状況を確認し、6カ月が終了した時点では、事務局から団体を訪問し半年間の成果を確認したり、下半期へ向けた課題、計画修正などを話し合う場(中間ヒヤリング)を設けています。また、助成の始めと終わりには東京でセミナーも兼ねた贈呈式と報告会も行うなど非常に密なコミュニケーションを重視しています。手間のかかる助成ですが、やり遂げた後の成果は大きいはずです。助成団体の事例レポートにも目を通して、ぜひ助成金獲得に向けて意欲的な案件で応募していただきたいと思います。
パナソニック NPOサポート ファンド 環境分野事務局 古瀬繁範(地球と未来の環境基金専務理事)
ワークショップと説明会を終えて

●ワークショップで組織の見直しができました

常勤が6人、非常勤15人ほどで学童保育や子育て支援の活動をしています。地域でも期待される組織になってきましたが、実態がそれに追いついているのか、見直す時期だと思っています。ワークショップは、まさにそれが課題でしたから非常に役立ちました。公募説明会では、アウトカムを出すまでの経過も見ていくという話に事務局側の本気度を感じました。私たちもそれに応える力が必要ですが、今日の話を参考にして是非エントリーしたいです。
こどもサポートみんなのおうち
佐藤真二さん 江口竜一さん

●申請書作成のポイントが掴めました

いのち一番の森
渡邊順一さん 渡邊和恵さん
正会員が11名、賛助会員を入れると100名ほどで、去年から国有林を80年借りて広葉樹林を育て、田畑なども使っていのちの大切さを学ぶ活動をしています。活動開始と同時にNPOを立ちあげたため、組織基盤の強化は最優先課題です。ワークショップはもちろん勉強になりましたが、公募説明会を聞いて、申請書の書き方のポイントもはっきりしました。最終的には事業収入で人件費も賄えるよう、まずは助成を獲得してその基盤を整えたいです。

●個々の団体の育成が、地域の力に

パナソニック NPOサポート ファンドは「組織基盤強化」に特化した助成金なので、私たちが主催する「環境教養講座」に組み込んで、ワークと公募への参加を呼びかけてみました。現在、九州・沖縄地域で「環境保全」を定款に含むNPO法人は1000団体ほど、そのうち本格的に事業展開している団体は2割程度だと思います。EPO九州に相談に来る方たちの悩みは九州が抱える悩みだし、助成を活用して地域団体の力がつけば、九州の環境力もつくわけですから、まずは1団体でも助成を獲得して欲しいですね。基盤強化は一朝一夕ではなし得ません。私たちも企業などと連携を深めつつ、NPOの裾野を広げ、奥行きを深める活動を進めていきたいと思っています。
九州環境パートナーシップオフィス
コーディネーター  澤 克彦氏

参加された方それぞれがご自分の組織について考えられた4時間半。今日のワークショップを通じてこれからの活動にぜひお役立てください。また、組織基盤強化の取り組みを支援するパナソニック NPOサポート ファンドをご活用いただけたら幸いです。皆様からの積極的な応募をお待ちしています。

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