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〜基盤強化の実現と、団体間の交流をサポート〜
Panasonic NPO サポートファンド 2009年 贈呈式
さる2009年1月30日、東京臨海副都心にある「パナソニックセンター東京」のホールにおいて「Panasonic NPOサポート ファンド 2009年 贈呈式」を開催しました。
当日は78名が参加し、選考委員長の総評や、講演「助成金をNPOの財政基盤の強化に活かすには」、助成が決定した23団体の活動内容や助成事業のご紹介、そして事務局関係者も含めた懇親会と続き、貴重な交流の場ともなりました。
2009年の助成事業は、応募総数276団体のなかから、子ども分野12団体(うち3団体は継続助成)、環境分野11団体が選ばれています。

第一部 贈呈式

 当社企業市民活動の担当常務役員である、鍛治舍 巧(かじしゃ・たくみ)の挨拶に続き、子ども分野および環境分野の選考委員長より選考総評をいただき、23団体の代表一人ひとりに助成通知書が手渡されました。

 今年の助成の特徴として、子ども分野では、継続助成の団体が3団体採択されています。助成2年目の団体が2団体、そして助成3年目の団体が1団体です。これは、NPOの組織基盤を応援するには、単年度の取り組みだけではその成果が得られにくく、継続した支援が必要だと考えたからです。また、環境分野では、今年より外部の専門家を導入するテクニカルアシスタンスの仕組みを取り入れ、組織基盤強化の事業達成に向けた人的支援の試みを一部の団体で実施していきます。

各分野選考委員長 総評

NPOにしかできない、先駆的な問題提起を

子ども分野選考委員長
明石要一氏(千葉大学 教育学部教授)

 今年は新たな取り組みとして、一次選考が終了した時点で採択されなかった団体にその理由をフィードバックしました。また、継続助成の上限である、助成3年目の事業を初めて1件採択しました。選考は「活動内容に社会的意義があるか」「助成事業によって子どもたちによい影響があるか」「計画性」「実行性」はあるのかという4点を重視しています。NPOには「私たちにしかできない」というこだわりと、未来を照らす先駆的な問題提起が欲しい。のほほんとした気持ちではいけません。今日、ここに集まられた皆さんには非常に期待をしています。

外部と連携し、組織の生態系を見直そう

環境分野選考委員長
川北秀人氏(IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]代表)

 地球環境と同じく、組織も“持続可能な”活動が大切です。団体規模を大きくしすぎて運営や資金繰りが大変になり、活動自体が続かなくなっては意味がありません。規模は小さくても、ユニークで社会的意義の大きな活動を目指すこと。組織の外に担い手を育てるのもひとつの方法です。生態系と同じく、みなさんの活動も多様性に満ち、多くの担い手や団体と共生し、ともに育っていければ素晴らしいと思います。これからが大変ですが、期待しています。

次に、子ども分野協働事務局の山岡義典氏による講演が行われました。

助成金をNPOの財政基盤の強化に活かす活動に 発表資料データ

山岡義典氏(特定非営利活動法人 市民社会創造ファンド運営委員長)

 社会が必要とするものを「社会サービス」と呼びます。そのニーズは、気づきによって顕在化します。ここにいる皆さんは、何らかのニーズの第一発見者として、それに応えようと活動しているはずです。民間の助成は、そうした行政が担えない社会サービスを育てるものです。そして、活動には資金が必要です。NPOの財源は、その活動に共鳴した人たちからの寄付などの支援性のもの、提供したサービスから得られる対価性のもの、また会費のように安定した内発的なもの、助成金や委託金のような一時的ではあるが大口で外発的なものに分類できます。今回の助成によって助成金以外の財政基盤を強化すること、それが組織の基盤強化ということです。人材育成や広報力向上も、そのための手段です。皆さんにはぜひ、そういう視点で活動して欲しいと思っています。

 続いて、北は北海道から南は熊本県まで全国から集まった助成団体の方々の取り組み発表が行われ、その多様な活動と熱い思いが発表に凝縮されました。

*今年度の助成団体の概要、事業内容や、各分野の応募状況などの詳細は、こちら。
子ども分野:http://panasonic.co.jp/citizenship/pnsf/2009/ko_oubo.html
環境分野 :http://panasonic.co.jp/citizenship/pnsf/2009/kan_oubo.html

第二部 交流懇親会

全国の団体とつながる場に

 第二部は、立食パーティー形式の懇親会。助成団体の方々はもちろん、選考委員や一般参加者、事務局スタッフもまじえての大交流会となりました。団体同士のネットワークの構築、そして事務局スタッフとの連携といったコミュニケーションもNPOサポート ファンドでは大事にしています。贈呈式前には、助成団体を対象に各分野に分かれてオリエンテーションを行い、1年間のスケジュールの確認や、事業相談など助成期間中のサポートにも力を注いでいることをご理解いただきました。おたがいに知恵を出しあい、協力しながら、社会的課題の解決に向けて取り組んでいきたいと思います。

ここで選考委員の方々からのメッセージと、会場で拾った皆さんの意気込みをお届けいたします。

選考委員からのメッセージ

選考委員もともに学ぶ機会に

子ども分野選考委員
特定非営利活動法人
リベラヒューマンサポート
理事長 三好悠久彦氏

 本日、ここに選ばれた皆さんの努力を承知の上で、選考委員の苦労話をご披露します。このファンドには毎年200件近い応募があります。事務局で各分野50件ほどに絞って選考委員が審査しますが、その過程で少しずつ案件を絞りながら、何度も繰り返し資料を熟読します。約1カ月は寝ても覚めても資料と格闘の日々です。しかし、その過程で、私たちも学び、喜びを感じることも非常に多いのです。今後も皆さんと苦労や喜びをともにしながら、活動を見届けたいと思います。

情報は読んでもらう工夫を

環境分野選考委員
廣告社株式会社
プランナー 高城佐知子氏

 私は仕事柄、皆さんの資料をWEBや広報の視点から拝見していますが、最近は団体のWEBを「更新しやすく」とか、「読みたくなるコンテンツを」といった悩みが目立ちます。しかし、どんなにいい情報も、膨大な情報の海のなかに埋もれてしまっては意味がありません。ブログを持つ会員は必ずHPにリンクを張るなど、キーワード検索で上位に上がる工夫をしてみてください。また、グローバルな活動と同時に、自分の地域で共感してくれる仲間を増やすことも忘れずに、頑張っていただければと思います。

受益者と支援者の視点を整理して

環境分野選考委員
特定非営利活動法人
ユースビジョン
代表 赤澤清孝氏

 NPOは、社会的弱者や受益者の視点で問題を解決する役割を担う一方で、人々に問題の存在を気づかせ、支援者として参加する機会を作る役割もあります。ですから、基盤強化では受益者に提供するサービスを充実させると同時に、基盤を支える人をどれだけ増やせるかも重要です。情報発信でも、受益者に対する情報と、支援者に対する情報をきちんと整理して提供することが大切です。この1年、事業の中心となる常勤の人が頑張れるようみんなで体制を整えて、助成を有効に使って欲しいと思います。

助成団体の声 子ども分野

○アレルギー支援ネットワーク
理事 栗木成治さん

継続助成の3年目です。「アレルギー大学」を核に、情報提供や人材育成などアレルギー患者の支援活動を行ってきました。ファンドを通した他団体との交流や委員の方からの助言は、活動の方向性に対する大きな示唆となりました。今年はアレルギー分野の中間支援組織をめざして人材育成や周辺組織の支援体制をさらに進め、集大成にしたいです。

助成団体の声 環境分野

○日進野菜塾
代表 熊谷正道さん

名古屋近郊で農を中心にした自然体験活動を始めて7年目になります。基盤強化に対する助成だと聞いて説明会に出たのですが、ファシリテーターとともに活動の自己点検をする非常に有意義なものでした。有料ですが説明会だけでも参加する価値がありますよ(笑)。助成を受けてさらに外部団体とも連携し、知見を広めたいと思います。

○アジア日本相互交流センター
代表理事 田口京子さん 斉藤順子さん

フィリピンの子どもたちの支援を14年前から続けています。今回は、事務局と広報を強化して自己資金率を上げたいと応募しました。配布された他団体の資料は広報の参考になりましたし、山岡さんの「助成を次につなげることが大事」というお話もぜひ理事に伝えたい。NPOの交流を応援してくださるこのファンドは心強く思います。

○ホールアース研究所
コーディネーター 平野達也さん

富士山麓で自然体験活動を行い26年になります。私たちは昨年、旅行業務の認可をとり、交通等も含めたエコツアーの提供で地域貢献を推進します。地域資源を深く掘り下げ、広く発信することで都市農村交流の有効なツールとなるように、頑張りたいと思います。事務局から出された「他団体のモデルとなる成果を出す」という宿題も果たせるよう頑張ります。

○子どもの村を設立する会
理事・事務局長 石原幸江さん 大林礼子さん

私たちは児童虐待の防止や支援の活動をしています。地元のNPOの勧めもあって応募しました。申請時は事務局や広報の強化も含めた事業計画でしたが、事前のヒアリングで事務局からも助言をいただき、子どもを支援する人材育成に集中した計画に変更しました。このファンドを通して団体同士の交流もさらに充実できればと思います。

○環境NGO ezorock
事務局長 宮本 奏さん

北海道の若者を中心に「野外で気持ちよく音楽が聴ける環境を残そう!」と、環境活動を進めています。2度目の申請でリベンジを果たしました(笑)。団体のブランドをきちんと構築するのが今回の課題。基盤強化は事務局が腹を据えないとできませんが、これを機会に活動の棚卸しをして、真の成長につなげたいと思います。

 

この場に集まられた皆さんから、1年後にすばらしい成果を聞かせていただけることを楽しみにしています。

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