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環境分野・総評(2009年)

選考委員長 川北秀人
選考委員長 川北 秀人(I IHOE「人と組織と地球のための国際研究所」代表)

 今年度も、熱意の高い応募を多数お寄せくださったことに、深くお礼申し上げます。
 例年申し上げているとおり、審査する側にとって、ニーズと熱意の高い申請を拝見し、この資金によって実現される機会が、各団体のみならず、活動される地域やテーマにとって最適な成果をもたらすよう確認と協議を重ねた上で支援を決定し、その結果のご報告を耳にすることほど、うれしいことはありません。
 特に本年は、助成確定までの過程に時間とやりとりをかけて、各団体の置かれた状況や課題の正確な把握に基づく事業の確認をしっかり行いました。
 選ばれた11団体の方々のみならず、選ばれなかった団体の方々にも、組織の基盤を豊かにする努力を弛まず続けていただきたいと、心から願っています。

選考の経緯
 今年度も、例年を上回る98件の申請をいただきました。ご応募くださった団体の方々はもちろん、呼びかけにご協力くださった各地の中間支援機関のみなさまにも、深くお礼申し上げます。
 このうち52団体については、申請内容が団体の基盤強化ではなく、活動への助成にとどまっていると考えられたり、事業計画の内容やスケジュール、予算が極めて不十分なレベルであることから、事務局による一次選考で「選考対象外」と判断しました。
 残った46団体からの申請事業について、6人の選考委員が、応募要項に示された4つの選考基準(団体の適格性組織基盤強化の必要性応募事業の組織基盤強化への有効性応募事業の実施可能性)を細分化した10項目の評価要素に基づいて、50点満点で採点しました。なお、評価要素の10項目は、すべてが均等ではなく、重み付けされており、最も重視されたのは、例年同様に「助成される事業の具体性、成果の明確性」や「助成される事業による組織基盤強化へのインパクト」といった項目でした。

 そして10月に開催された選考委員会で、6人の委員の採点の集計結果をもとに協議・検討した結果、17団体に対して事務局スタッフが訪問し、質問や修正提案などをお伝えし、それに対するご回答をいただく形式で、ヒアリングを行うこととなりました。
 ヒアリングの報告をもとに、6人の選考委員は、採否や条件などについて個別に検討した評価表を提出し、その集計結果をもとに、12月上旬に、選考委員長と事務局の協議・確認の上、11団体に計1325万円の助成を確定しました。

選考のポイント
 特に今年度、審査の上で気がかりだったこととして、「団体運営上の本当の課題は何か?」、「今後5年間以上を見通した上で、どのような事業をどの程度の規模で行うことが、社会から期待されているか?」、「外部からの助言や協力を率直に受け入れ、また、自らも他団体に積極的に助言・協力しているか?」という点において、理解・認識や取り組みが十分とは言えない申請が数多くあったことが挙げられます。
 例年申し上げているとおり、本ファンドは、「助成対象事業」に明記されているように、「環境問題に取り組むNPOの組織の基盤強化に資する事業」への助成を目的としています。このため、「団体の運営上、どのような課題があるか」や「その原因や背景は何か」について、率直かつ明確に示していることが、最初に確認するポイントです。
 また、課題を解決する過程が具体的かつ合理的で、その後の団体の持続的な発展を促すと期待できることも、重要なポイントです。
 だからこそ、ニーズとして団体運営の課題が具体的で、解決するプロセスとして打ち手の内容や流れが合理的であり、必要な資源として団体の内外の人材や資金が、効率的に用いられるとアピールしていただくことが、重要であるとおわかりいただけるでしょう。
 このため、ニーズが明確であり、基本的な方針は適切でも、具体的な対策について、絞込みや修正をお願いせねばならない申請がいくつかあり、結果として減額助成となった団体も複数ありました。

 環境保全に科学的な視点と合理的な手法が求められているのと同様に、組織という生態系の健康を維持し続ける取り組みにも、原因・背景を確かめる率直さと、解決手法の合理性が重要であることを、この機会にぜひ再確認していただき、限られた資源を最大限に生かした活動を続けられることを、心から期待申し上げるとともに、次年度のご応募もお待ちしています。

選考委員
川北 秀人 人と組織と地球のための国際研究所(IIHOE)  代表 (★選考委員長)
高城 佐知子 廣告社株式会社 インタラクティブ局 メディア&プロモーション部プランナー
滝口 直樹 独立行政法人 環境再生保全機構 石綿健康被害救済部長
西尾 チヅル 筑波大学大学院 ビジネス科学研究科 教授
赤澤 清孝 特定非営利活動法人 ユースビジョン 代表
工藤 慎一 パナソニック株式会社 環境本部 環境企画グループ 企画管理チーム チームリーダー

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