Panasonic Corporate Citizenship News
パナソニック企業市民活動ブログ

パナソニックグループの企業市民活動、世界各地の事業場や社員の社会貢献活動リポートをご紹介します。

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日本:2012 年度パナソニック提供 龍谷講座in 大阪レポート 第17回

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17回目の講座は特定非営利活動法人アジア太平洋資料センター(以下、PARC)の佐久間智子さんの登場です。PARCは世界から様々な情報を収集して発信するだけでなく、研究活動や政府・国際機関への政策提言活動などを行っているNGOです。佐久間さんはPARCパルクの代表理事、明治学院大学国際平和研究所研究員を務め、食糧や水の問題を中心に、経済のグローバル化の社会・開発影響に関する調査・研究を行っています。主な著書に『どうなっているの?日本と世界の水事情』(共著、アットワークス、2007年)、『穀物をめぐる大きな矛盾』(筑波書房、2010年)などがあります。

第17回「水をめぐる世界の動き~中南米を中心に」 

日時:11月14日(水)  午後7時~午後8時30分
会場:龍谷大学 大阪梅田キャンパス 研修室
講師:佐久間 智子
特定非営利活動法人 アジア太平洋資料センター(PARC)代表理事
明治学院大学国際平和研究所研究員

―講義概要―
水道民営化の背景や問題を中心にお話しいただきました。まず、「商品化される水」を一つのキーワードとして、水は「経済財」=ニーズ(需要)か、それとも「公共財」=ライツ(権利)かの問題提起からはじまり、その上で、水道民営化の効率性だけではなく、弊害も指摘しながら、今後水がどのように供給されるべきなのか、市民の視点から考えました。講座の最後には、佐久間さんのメッセージとして、日頃から水道に関心を持ち、その運営の監視や情報開示の請求をはじめ、意思決定のプロセスに市民が参加することの重要性が問われました。


―商品化される水―
近年、水不足が問題となる背景には様々な理由があります。まずは、道路がアスファルトなどで舗装されたことにより雨が早く海に流れ出し、陸上への降雨量が減少したこと、そして局所的な大雨と渇水の併存・水害が多発したことがあげられます。また蓄えて使う水としては、地下水を農業用水として過剰にくみ上げたために枯渇が進んでいます。さらに、農業や工業への利用により、水質が汚染され良質な水が減少していることも深刻な問題です。このように、人為的な利用による弊害で、水不足が急速に進んでいることが背景の一つにあります。そして、最近では水の希少性が注目されるようになり、水道インフラの新設をはじめ、運営や水利権の売買などといったいわゆる"水ビジネス"が大きな注目を集めています。


ここで検討を必要とすべきことは、水が「経済財」つまり需要(購買力)に応じて与えられるべきものであるか、それとも「公共財」として誰にでも与えられるべき権利であるのか、ということです。水は生物にとって不可欠な物質ですが、資源は限られており、偏在しているのが現実です。また、水の過不足は、地域の気候や天候に大きく影響を受けることから、水の安定的な供給には、大型のインフラ整備が必要となります。このため、世界における水の供給事業は、地域独占(それぞれの地域に一つしか事業者がいない)している状況であり、利用者に選択の自由がないことが大きな問題となっています。また、生命を維持するための重量な資源であっても、貧しい地域への供給が滞ったり、水道料金の値上げが生活を圧迫するといった問題もみられます。


世界の水道事情と水道民営化―
201301087.png安全な飲料水の得られない人口は世界で8億8,400万人(世界人口の13%)、不衛生な水が原因の死亡は年間357.5万人にのぼるといわれています。特に98%が途上国で発生し84%が0~14歳の子どもたちです。これは水が原因で10秒毎に1人が亡くなっている計算になります。また、基本的な衛生施設にアクセスのない人口は26億人(世界人口の38%)で、途上国の下水の9割は未処理で垂れ流されている状況です。世界の病気の8割は水が原因(表層水の汚染)であり、国連の予測では2025年までに世界人口の3分の2が水不足を経験するといわれています。(出典:Pipe Dreams?The failure of the private sector to invest in water services in developing countries, World Development Movement)


こうした状況下で水道が民営化されるとどのような問題がおこるのでしょうか。まず水道の民営化とは、水道事業の運営・管理(意思決定)を民間企業が担うことです。1992年のダブリン宣言*で水が経済財であると提言されてから、世界各国で水道事業の民営化が進められました。その背景には、水道事業は巨額の投資を必要とする設備型産業であることから、財政の苦しい国家・自治体が設備負担に耐えられず、民営化を推進せざるを得なかったという理由があります。


水道事業民営化の問題は、まず企業として利益をあげることが第一目的となるため、収益が事業に再投資されません。そのため、貧困層や地方部は必要な整備が遅れます。また、点検や整備を省き、人員をリストラしてコスト削減を図るため、常に整備不足を引き起こし、安全な水質を確保できないという問題が発生しています。さらに、企業として株主に利益を配当するため、料金の値上げも行われます。結果的には利用者に負担を強いる形となります。民営化によって事業の効率化が図られたことも事実ですが、反面、問題が起きた場合、最後には公的機関の支援を得る事例も多くみられました。

例えば、イギリスでは一世帯あたりの年間の上下水道料金は、1989年から2006年の間に245%上昇し、民営化時の債務帳消し、民営化後の公的補助の投入(投資総額の3分の1)など、公的資金が140億ポンドも投入されてきました。また、フランスのグルノーブルでは、1987年からの民営水道契約で巨額の贈収賄と料金の水増し請求が露呈し、企業三社の取締役に有罪判決が下りました。これをきっかけに2010年より再公営化されます。このように、水道を民営化させることによって様々な問題が発生していることが分かります。現在では、多くの国で水道事業の再公営化が進んでおり、法律で水道の民営化を禁止する取り組みも行われています。


*1992年「水と環境に関する国際会議(International Conference on Water and the Environment)」で採択。詳細は外務省のウェブサイトを参照

―今後の視点―
私たちは、経済開発を優先するあまり、自然環境を大きく変えて破壊してきました。開発によって豊かな生活を享受することも大切ですが、一方、行き過ぎた経済活動の弊害を真摯に考えなければなりません。人類にとって欠かすことのできない水を安定的に供給するために、飲み水がどのように届けられ、どのように排水されているのかを知り、水の使い方についてもう一度考える必要があります。私たちが水に対する関心を高めることが、水をめぐる環境を改善していくことにつながっていきます。

日本:企業連携による理科教育支援活動

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日本電機工業会(JEMA)」では、昨今の子どもたちの理科離れに危惧を抱き、将来にわたる電機業界の人材育成につなげるため、2008年よりワーキングを立ち上げ、理科教育支援に取り組んできました。当社も立ち上げ当初よりワーキングに参画し、他の会員企業とともに、小学校6年生の理科単元「電気の利用」と連動した授業プログラムの開発に取り組んできました。

電機業界ならではのノウハウやリソースを活かしたこのプログラムは、全10時間の授業案からなり、学校の学習と実社会がどのようにつながっているのかをわかりやすく説明したもので、先生方にも大変好評です。

また、プログラムの提供のみならず、先生方を対象とした「理科セミナー」プログラムも開発し、現在 関東・関西・中部、九州各地区を中心に開催しています。セミナーでは、当社を含む会員企業の社員も講師となり、JEMAの授業プログラムの実験を実体験して頂きながら紹介するとともに、理科の実験のやり方・注意点についてもわかりやすくお伝えしています。

「子どもの育成」は社会総がかりで取り組むべき課題であり、このJEMAの取り組みは、産業界全体で協働しながら学校教育支援を実施するよいモデル事例となっています。

日本電機工業会(JEMA)は重電機器や家電製品の製造・販売をする約170の会員企業で構成されています。
当社も会員企業です。

 

201301081.jpg―セミナーに参加された先生方の声―    
 ● 実験で実体験でき授業に活かせそうだと感じました    
 ● 実験や電気に関する疑問がその場で解決でき大変よかった
 ● 授業進行案や実験手順が丁寧に解説されており、授業ですぐ活用できると感じました   

《関連サイト》 

JEMAの理科教育支援活動について   

タンザニア:ライフイノベーションコンテナの定期点検を実施! ~タンザニア ムボラ村出張報告③~

食事をするこどもたち.jpg  パナソニックグループは、2009年8月より特定非営利活動法人TABLE FOR TWO(TFT)のプログラムに参加しています。
TFTプログラムは、飢餓・栄養不足に悩む途上国と、生活習慣病・肥満に悩む先進国の「食の不均衡」の解消を目指した
日本発の社会貢献活動です。
具体的には、日本国内の社員食堂などにおいて提供されるヘルシーメニュー1食につき、アフリカ諸国の子どもたちの給食
小学校のプレート.jpg一食分に相当する約20円程度が寄付されるというものです。

今回、ムボラ村へ寄贈した独立電源システム「ライフイノベーションコンテナ(LIC)」の定期
点検時に、ムボラ村近隣のイロラングル小学校で実施されているTFTプログラムによる
学校給食の様子を視察しました。


メイズ.jpgタンザニアでは、主食は「ウガリ」です。これは、メイズ(とうもろこし)の粉をお湯で練って作られますが、
イロラングル小学校では、子どもたちへの栄養価を考え、精製しない粉で作ったウガリが給食に提供されています。
また、「ウガリ+ダガー(小魚)」、「ウガリ+マメ+キャベツ」、「ウガリとオレンジ」などメニューに工夫がこらされています。 上級生が配膳.jpg  一人ひとりへ 分配.jpg給食の提供により、子どもたちの栄養面が改善されるとともに、必ず食前に手を洗う習慣を身につける「衛生面」の効果や、上級生が下級生に配膳するなど「規律」の効果もあがっています。
そして、給食により子どもたちの学校への出席率がアップ(58→85%)しています。

手を洗います.jpg今後もパナソニックでは、TFTプログラム活動を継続して支援していきます。

 

 

 


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