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日本:2012 年度パナソニック提供 龍谷講座in 大阪レポート 第13回

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今回の講師は(特活)エフエムわぃわぃ代表理事の日比野純一さんです。日比野さんは8年間の新聞記者生活の後、阪神淡路大震災を契機に災害救援ボランティア活動に関わり、災害ラジオのコミュニティ放送局「エフエムわぃわぃ」の企画に参画されました。現在、途上国や東日本大震災の被災地でコミュニティメディアを活用した支援活動を行う傍ら、大学でも教鞭をとられています。

第13回「市民社会を作るもう一つのメディア」
日時:10月3日(水)  午後7時~午後8時30分
会場:龍谷大学 大阪梅田キャンパス 研修室
講師:日比野 純一
特別非営利活動法人エフエムわぃわぃ 代表理事
特定非営利活動法人たかとりコミュニティセンター 専務理事
世界コミュニティラジオ放送連盟(AMARC)日本協議会代表
公益財団法人神戸国際協力交流センター 理事
神戸学院大学学際教育機構防災・社会貢献ユニット客員教授

―講義概要―
コミュニティメディアは、先住民族や社会的立場の弱い人々など、小さなコミュニティに生きる人々をつなぎ、助け合いながら社会問題を解決していくことを目的として誕生しました。少数者である彼らの意見を世の中に伝えることは、多文化共生を実現するのに大切なことです。講座では、コミュニティメディアの歴史やそれらが活用されている例を学びながら、人々の多様性を認めて寛容な社会にするにはどうするべきかを考えました。


―少数の声を伝えるラジオ、エフエムわぃわぃの誕生―
エフエムわぃわぃは、1995年の阪神淡路大震災の際、外国籍の被災者を支援する目的で誕生しました。震災当時、神戸には韓国・朝鮮人、ベトナム人、中国人など多くの外国人が在住していました。家屋の倒壊などにより多くの方が避難所生活を余儀なくされ、当然ながら多くの外国人もそうした生活を強いられました。その際、言語が大きな障害となり、情報が十分に得られないことが大きな不安として彼らにのしかかりました。そこで、日本語が得意でない仲間のためにミニFM局を開設し、韓国・朝鮮語、ベトナム語、日本語などで震災情報を提供し、民族音楽を流すことでお互いを励まし合う活動が始まりました。この活動が現在のエフエムわぃわぃの礎となりました。
現在では、英語、スペイン語、ポルトガル語なども加わり、併せて10言語で地域の生活に根差した情報を発信しています。ただ、エフエムわぃわぃは日本語と外国語という単一的な切り口で地域とかかわろうとしているのではありません。地域社会には多様な人たちが暮らしています。その中には外国人もいます。お年寄りもいます。障害を持った人もいます。それぞれが互いを認め合い、そして助け合いながらともに暮らしていける豊かなまちづくり、コミュニティの形成をめざして放送を続けています。

―ミュニティラジオの誕生と運動のグルーバル化―
コミュニティラジオは、1947年に南米ボリビアで強制労働させられていた先住民労働者が団結するために生まれました。その後、労働者ラジオ、教育ラジオ、先住民ラジオ、女性ラジオとしてラテンアメリカ中に普及しました。1983年には世界コミュニティラジオ放送連盟*(以下、AMARCとする)が設立され、AMARCは世界各国で公共資源である電波を市民が獲得する運動を後押ししてきました。その目的は、コミュニケーションの権利の獲得に留まらず、共通する社会課題に対して国際的な連携で解決し、国境を越えた経験や知識を共有することにあります。
地域社会の能力と自治を向上させるためには、住民が必要なデータや情報を入手できる環境が保護されていなければなりません。しかし、マスメディアでは地域社会の多様な要求に対応するには限界があります。地域の人々が自分たちの力で自分たちの声を伝えるコミュニティメディアは、不可視化、周縁化され社会の発展から取り残された市民を力づけ、民主主義と開発の取り組みを活性化させるための特別な存在です。残念ながら、コミュニティメディアが活発である欧米に対し、日本では法整備の遅れもあり、十分な体制が取れているとはいえません。
* 世界110カ国・4000のコミュニティラジオ局とコミュニティラジオを活用して社会課題の解決に取り組むNGOが加盟する国際NGO。


―コミュニティメディアの役割―
講座終盤ではインドネシア・カリマンタン島(ボルネオ島)で運営されているコミュニティラジオ局のドキュメンタリービデオを鑑賞しました。この地域では民族間の対立が続いていましたが、争いではなく平和をもたらしたいとの願いから小さなコミュニティラジオが設立されました。ラジオ局で活動している一人は、自身の父親も民族の対立で被害を受けた若い女性です。彼女は、ラジオの放送を通じて、互いの民族が共存し多様な文化を認め合うことのできる社会を目指しています。ここでは、コミュニティラジオは単なる情報伝達の手段ではなく平和を構築するための重要なメディアです。
日本では、昨年の東日本大震災に伴う原子力発電所の事故によって、震災前とは異なった生活環境を強いられている多くの方々がいらっしゃいます。福島県南相馬市では、事故によって20キロ圏内、30キロ圏内、30キロ圏外に地域が分断され、人口7万人のうち、市外・県外におよそ3万人が避難している状況です。原子力発電所に一番近いコミュニティメディアとして、2011年4月15日、南相馬災害エフエムが開局されました。この放送局は、正しい答えの無いなかで、放射能の災害に対峙する人々のそれぞれの想いを伝え、お互いの気持ちを知ることで、お互いを理解し、尊重し、「南相馬市民」としての気持ちをつなぎとめていくことを目的とします。
コミュニティメディアとは、情報を伝え 分断と対立を解きほぐし市民の気持ちをつなぎます。コミュニティの多様性を育むための重要な"ツール"として、私たちの生活に欠かせない存在といえるのではないでしょうか。

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写真提供:(特活)エフエムわぃわぃ


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