Panasonic Corporate Citizenship News
パナソニック企業市民活動ブログ

パナソニックグループの企業市民活動、世界各地の事業場や社員の社会貢献活動リポートをご紹介します。

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NPOマーケティング「中間報告会」を開催

mk120714a.jpg今年4月にスタートしたNPOマーケティング プログラム2012の実践研修第3回を開催。代々木の国立オリンピック記念青少年総合センターで7月14日、参加8団体の中間報告会を行いました。

mk120714b.jpg挨拶
マーケティング プログラムは、単にプロモーションのノウハウを学ぶのではなく、組織基盤を揺り動かし、苦労はするがやりがいのある「たのくるしい」取り組みであるということを実感されていると思います。今日は、他の団体の発表や講師コメントにも耳を傾け、自団体の活動へ貪欲に取り込んでください。今後、プランを実行し改善していくというPDCAのサイクルを着実に回し、具体的な取り組みをより良いものにブラッシュアップしていきましょう。

マーケティング研修の中で行った分析を通して見えてきた組織の課題と作り上げた課題解決策を各団体が発表し、講師がフィードバック・コメントしました。

mk120714c.jpg1.「産後ケア」ムーブメント プロジェクト
マドレボニータは、中期目標の振り返りや外部環境分析に加え、団体の持つ強さや弱さの分析を行いました。見えてきた団体の課題は、産後プログラムの必要性をステークホルダーに届けきれていないということ。解決策として、団体の支援対象者となる妊婦が必ず訪れる産科・産院へ、団体の活動についての理解促進を図り協力体制を築くことで、出産前から「産後ケア」に出会ってもらえる環境を整えていきます。

mk120714d.jpg2.NPO活動から生まれた製品の販路拡大プロジェクト
エーピーエスディ(APSD)は、ソロモン諸島の農村で生活の質の向上を目指した活動をしている団体。事業の1つとして、森を切らずに活かすことが出来る養蜂で採取した蜂蜜を成分にした化粧品を販売しており、その売上を様々な形で還元しソロモンの地域社会の活性化につなげていきたいと考えています。化粧品の顧客分析を通じて、都心部在住の40~50代女性の潜在顧客と休眠顧客をターゲットと設定しました。

mk120714e.jpg3.個人法人の新規会員獲得に向けたファンドレイジング
ブラストビートは、収入の多くが助成金となっており、全国展開を成功させるためには会費・事業収入・寄付金を増やし、活動を安定化させる必要があると感じています。参加者へのニーズ調査から、会員向けの研修・勉強会や、ノベルティグッズなどの企画を検討しています。

mk120714f.jpg4.新聞購読拡大プロジェクト
全国不登校新聞社は、不登校・子ども若者・教育・社会問題等を発信するタブロイド版新聞『Fonte』の購読拡大プロジェクトに取り組み、先ずは休刊回避に向けて購読を拡大し、実売を960部から1,100部にすることを目指します。購読拡大に向けて、ホームページの改変に向けたテストマーケティング実施で潜在的ステークホルダーの掘り起しとホームページの可能性についての検証、新規拡大&購読切れ阻止に向けてステークホルダーの掘り起しを行います。

mk120714g.jpg5.リアルコミュニケーションで100人派遣達成
ICYE JAPANは、地方の若者にも海外ボランティアのチャンスを伝えたい、知名度が低いことを克服していきたい、と当初は考えていました。顧客分析のためのアンケート調査や過去の派遣生のデータ分析に加えて、経験者へのヒアリングを実施。団体を知ったきっかけはインターネットだけでなく、リアルコミュニケーションを通じての割合が高いことがわかりました。改めて団体の課題と強みを検討した結果、施策の目標を「リアルコミュニケーションで100人派遣達成」に変更し、過去に参加した帰国生が各国文化を紹介するイベントICYE「夕べ」シリーズを復活することにしました。

mk120714h.jpg6.夜の世界「後」のハローワーク
Grow As Peopleは、夜の世界の仕事をしている女性への支援を行う団体です。低学歴やシングルマザーなどの苦しみを抱えており、お金にまつわる依存が多く見られるため、お金とどう向き合うかをテーマとした事業を展開してきましたが、参加者が思ったほど集まっていない状況でした。調査・検討を踏まえ、事務局主導の事業ではなく夜の世界で「40の壁」に直面する危機意識が高い女性、現状に不安を抱え始めている女性たちに向けて自立支援事業を行い、彼女たちが他の女性たちを支援するモデルの実現を目指します。

mk120714i.jpg7.ニート予防のための既卒3年/25歳未満の進路未決定者に対する正社員就職支援プロジェクト
「育て上げ」ネットは、25歳までに正規雇用につけない場合、長期の不安定雇用や社会的孤立に陥りやすい、という社会課題への取り組みを考えました。現状分析を行い、ターゲットを若者本人だけでなく、若者につながるプロセスにいる大学のキャリアセンター、保護者なども含めてアプローチします。新卒未内定者や予備軍に対して効果のあるプログラムを開発し、単発サービスの提供から継続サービスへ発展させること、大学などと信頼関係を築くことにも力を入れます。

mk120714j.jpg8.自主事業収入獲得のための事業開発プロジェクト
ひらかた市民活動支援センターは、大阪の枚方市で活動するNPO団体等を支援している中間支援組織です。支援対象団体が今後も継続的に活動していくことを支援するプロジェクトを立案しました。支援対象団体の分析に加えて自団体の強みを活かし、連携できる団体のコーディネートや集客支援等をテーマにした講座を提供して、支援団体が自主事業で資金が入るような仕組みを展開していくことを考えています。

mk120714k.jpg講師全体講評
4月から3ヶ月間のプログラムを経て、本日の発表は言葉の重みの変化を感じました。ここからは実行に移し、PDCAを回し、高みへのぼっていくという作業になります。施策が具体的になったときに忘れずにいてもらいたいのは、「そもそも団体が目指しているのは何なのか」「顧客は何を望んでいるのか」という根本の部分のことです。苦しいこともあると思いますが、講師・サポーター・事務局含めサポートするスタッフがたくさんいるので、遠慮なくサポートを受けながら、事業の成果を目指して頑張っていきましょう。

※詳しい内容は詳細レポートをご覧ください
 ⇒NPOマーケティングプログラム 2012ブログ「実践研修第3回 中間報告会」
 ⇒「実践研修第3回 中間報告会のツイートまとめ

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日本:パシフィック・ミュージック・フェスティバルが初の海外公演を中国で開催

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当社が芸術文化支援の一環として支援するパシフィック・ミュージック・フェスティバル(PMF)初となる海外公演が、8月4日、中国・北京の国際青年交流センター世紀劇院で実施されました。

当日は、中国・北東アジア地域 総代表の大澤さんはじめ幹部、社員、関係者など合計約240人が集まり、指揮者ファビオ・ルイジさん率いる若いアカデミー生たちの迫力ある演奏を堪能しました。
また、8月2日には瀋陽でも開催され、パナソニックストレージバッテリー瀋陽(有) 総経理の森さんをはじめ、同社幹部ら約100人が集まりました。
今年は1972年に日本と中国の国交が正常化されて40周年。今回の中国公演は、その記念として日中友好を目的に開催されました。出席した社員からは「非常によかった」「演奏のレベルの高さに感動した」など感想が聞かれ、現地社員の文化力向上にもつながりました。

2012080602.pngPMFとは20世紀を代表する指揮者、作曲家である故バーンスタインが1990年に創設した国際教育音楽祭です。世界中から若手音楽家を募って1カ月間、札幌で著名音楽家が指導しています。
その後、札幌で広く公開音楽活動を行ったり、東京での公演会を開催しています。

2012080610.png                                             総代表の大澤さん(左)と、指揮者のファビオ・ルイジさん

北京公演後には日友好協会主催のレセプションも開催されました。

2012080611.jpg当社からは大澤総代表ご夫妻、パナソニックチャイナ 高級顧問の張仲文さん、副総裁の馬雲飛さん、コーポレートコミュニケーション本部 社会文化グループ マネージャーの小川さんなどが参加しました。

当社は1960年代より社会貢献を開始しています。生きる喜びやみずみずしい感動を与える「心ゆたかな社会」にとって欠かせないメセナ(芸術文化支援)分野では、長く音楽を中心に芸術・文化振興に取り組んできました。このPMFは「グローバル」、「次世代育成」のPMF理念に同意し、1991年以来20年以上グランドパートナーズの1社として支援をしています。


今年のアカデミー生は総数123人で27の国と地域から参加。平均年齢23.5歳。さかのぼると、世界70の国と地域に約2700人の卒業生をアカデミーから輩出。
200を超える世界各国・地域のオーケストラで活躍しています。

《関連サイト》

パシフィック・ミュージック・フェスティバル(PMF)

パナソニックチャイナ 

 パナソニックストレージバッテリー瀋陽(有)

 

日本:キッド・ウイットネス・ニュース(KWN)2012プログラムがスタート    参加校へのワークショップが始まりました

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キッド・ウイットネス・ニュース(KWN)2012のプログラムがスタートし、いよいよ加校へのワークショップが始まりました。

第一回目は大阪府門真市立門真はすはな中学校 科学部の1~2年生の生徒18名の皆さんです。

内容は基本編「カメラを使って撮影して皆で見る」までを体験します。


講師は撮影監督として現場で活躍される大沢佳子さん。

先ず大沢さんが撮影の基本について話されました。
これから映像作品を作っていく上での役割(監督、カメラマン、音声等々)説明があり、実際にスタッフが撮影手順のデモを行い、撮影の流れを説明しました。

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いよいよ2つの班に分かれ、グループで仮想テーマを決め、それに対して撮影をしました。この日は35度の猛暑日でしたが、屋外での撮影となりました。

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1つ目のグループは「蓮」をテーマに、それぞれのメンバーが蓮について語る姿を撮影するというもので、すべてのメンバーが交代で監督、カメラ、音声を体験しました。
メンバーは校内の蓮畑を背景に全員が出演しました。現場での即興のコメントもあり、レポーターの要素も体験できたようです。

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また、蓮の葉の水玉など、インサート画面の撮影まで進みました。

もう一方のグループではテーマ選びに苦労したようですが、なんと「ゾンビ」映画を即興で作ちゃいました。

撮影後、教室に戻り全員でプレビューをおこないました。
大沢さんからそれぞれのカットについて総評、生徒たちとの意見交換もあり、各自がそれぞれの役割の中で掴んでくれたものがあったようです。

風が強く音声面ではかなり厳しい状況でしたが、まずは企画から撮影を体験することが出来たようです。

 

キッド・ウイットネス・ニュース(KWN)は、パナソニックが次世代育成支援活動の一環として、世界各地の小中学校を対象にビデオ機材を提供し、ビデオ制作を通じて子ども達の創造性・表現力を育成する教育支援プログラムです。
1989年にアメリカで始まり、今年で23年目を迎え 現在では、世界31の国と地域で年間約1万人の子どもたちが参加しています。
ビデオ撮影機材と制作ノウハウを提供し、子どもたち自らが自由な発想で映像制作に取り組むことを通じて、創造性やコミュニケーション能力を高め、チームワークを養うことを目的としています。
2012年度KWN日本では全国71校が活動しています。

 

◇関連サイト

 KWN日本

 パナソニックキッズスクール

日本:Kid Witness News2012年度ワークショップスタート ~指導員向けワークショップを開催

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2012年度のKid Witness News(KWN)のワークショップ プログラムがスタートしました。今年は、指導員向のワークショップを関東地区限定でトライアル実施をしました。

2011年度KWN日本ビデオコンテスト終了後に行った参加校へのアンケートで 「自分で企画・構成を考えることが出来ても、それを子供たちに行わせるにはどのように教えてゆけばよいのかが
わからず、時間もないので構成部分が適当になってしまう」という 悩みを持つ指導者の声を多く頂きました。参加校の課題を解決すべく「企画・制作のめ方について」のワークショップを7月24日(火)東京パナソニックビル(港区御成門)で実施しました。

講師にはKWNグローバルコンテストに2年連続入賞の実績を持つ、岡崎市立井田小学校の内田雅之先生と映像作家でKWN日本ワークショップ講師の井手広法さんをお招きし、9校12名の先生方と情報交換を交えながら、内田先生からは生子ども達とのビデオ制作の体験をふんだんに交えながら「子どもたちのビデオ制作に対するサポートあれこれ」と題しお話いただき、井手先生からは技術面での質問を中心にいうけながら「音声の大切さ」についてご紹介いただきました。

201208026.png内田先生には以下の項目を中心にお話をいただきました。
1.アニメーション制作時の事例 
2.テーマ選定の方法 
3.著作権・肖像権の指導 
4.コンテ作り 
5.機材の準備(音声・映像) 
6.撮影 ・編集 
7.先生が直面する問題 
8.子ども達が手に入れるもの 

「指導者が「製作者」を経験することが大切であり製作者だからわかることがたくさんある」「可能・不可能を考えるのが大人、やりたい・やりたくないで考えるのが子ども。子ども達のとんでもない力を信じましょう!」・・・などのお話が非常に印象的でした。

岡崎市立井田小学校のKWNグローバルコンテスト入賞作品

2009年度 KWN日本 最優秀作品賞/撮影賞 「CHANGE ~それは、今。~」 
2008年度 KWN日本  最優秀作品賞 「千人塚からのメッセージ」

 

2012080212.png井手さんからはご出席者一人ひとりの自己紹介と現在の課題を確認しお応えする方法で進行。
お話を聞いていくと、最も多くの技術面の課題は「音声」についてでした。
1.音声の大切さ。映像はうまく取れていなくても音でその状況は十分理解が出来るが音が無い映像はメッセージが伝わりにくい。風防は軍手と日用品の活用で十分カットすることが出来るので試して欲しい。
2.インタビューを取る場合のマイクの設置位置に注意。マイクは人の口を向けることを心がけて欲しい。場合によってはCanonマイクを活用する方法も有効。


その他編集ソフトなどについてもご質問をいただきましたが、音響技術も含め、今後の応用編ワークショップで解決をする方向です。

最後にKWNグローバル事務局の北出谷事務局長からは8月10日にロンドンで行われる2012年度KWNグローバルコンテストのご紹介と、本年度からスタートしたKWNの新しい国際交流プログラム 「Video Meet」の概略をご説明いただきました。 

◇「Video Meet」のご紹介

 ―ご参加者からの感想を一部ご紹介します―

・映像の作り方や音の大切さ、作ることで子どもたちが得られる大きなことを学ことができとても勉強になりました。学年で協力して取り組んでいこうと思います。
今まで全く撮影方法が解らず不安でしたが参加して撮影までの流れがわかり見通しが立って良かった。

・映像の作り方や、作る楽しさが実感できる・体験的なワークショップを受講したい。

・他校の番組制作の流れ方、自分が番組制作をすることでの悩みを質問することができ、大変有意義なものになりました。ワークショップは細かく番組制作の流れを追ってみたい。どれくらいの期間で何をするかという例が1つでもあると参考になる。

あっという間の2時間。先生方の感想からも、有意義な時間になったことが感じられます。今後も各地で実施できるよう検討してまいります。 

KWN日本

パナソニックキッズスクール

 

日本:2012 年度 パナソニック提供 龍谷講座in 大阪レポート 第9回

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第9回は中田豊一さんです。中田さんは、特定非営利活動法人シャプラニール=市民による海外協力の会駐在員やJICA派遣専門家をはじめ、国際協力の現場で25年に及ぶ活動を続けてきました。現在は、(特活)市民活動センター神戸理事長、(特活)ソムニード共同代表理事を務める傍ら、研修・調査・コンサルティングを行う参加型開発研究所を開設し*、支援現場で働く若手の育成にも力を入れています。主な著書に、『ボランティア未来論』(コモンズ、2000年。2001年度自費出版文化賞研究評論部門賞受賞)、『途上国の人々との話し方―国際協力メタファシリテーションの手法』(共著、みずのわ出版、2010年)があります。
* 参加型開発研究所

第9回「国際協力で培われたコミュニケーションスキル」 
日時:7月18日(水)  午後7時~午後8時30分
会場:龍谷大学 大阪梅田キャンパス 研修室
講師:中田 豊一
特定非営利活動法人 市民活動センター神戸 理事長
特定非営利活動法人 ソムニード 共同代表理事
 ―講義概要―
本年度前半最後の講座は、対話型ファシリテーションの基本であるコミュニケーションの技能を学びました。対人関係を築く上で欠かせないコミュニケーションの基本は、1対1の対話にあります。今回は、短いワークショップも交えながら、支援の現場に限らず職場や日常生活の中において、他者に働きかけたり、伝えたりするために必要なコミュニケーションの基本を学び理解を深めました。

【参考】ファシリテーション(facilitation)とは、「促進する」「円滑にする」という意味があり、人々の活動が容易にできるよう支援し、うまくことが運ぶように舵取りすることです。具体的には、集団による問題解決、アイデア創造、合意形成、教育・学習、変革、自己表現・成長など、あらゆる活動を支援し促進していく働きを意味します。一言でいうと、対話やワークショップを通じ、参加者の気付きを促す作業といえます。

―問題の解決を見出すコミュニケーション技能とは?―
私たちは、相手を支援したい、助けたいと思ったときに、「問題は何ですか?」「困っていることはありますか?」という質問をしがちです。そして、現地の人々の現実を理解し、ニーズを把握することに努めます。しかし、こうした行為のほとんどは、相手の現実を理解したつもりにしかすぎないのです。実際に中田さんが経験した次の事例が紹介されました。
【事例1】201208021.gif

             出典:『途上国の人々との話し方』、和田信明・中田豊一著(みずのわ出版、2010年)

中田さんは、この井戸掘りが失敗に終わるのは必然であり、援助現場における最も典型的なパターンであること述べられました。
では、どこが間違っているのか?あるいは、どうすればもっとうまくいったのか?この疑問に対して本質的な答えを考えるのが今回の講座の主要な目的です。

―実りのある議論とは ~事実を把握するための質問―
失敗に至るには多くの要素がありますが、最大の理由は、最初に示した「私」と「村人」とのやり取りに潜む決定的な誤りであると中田さんは指摘します。「原因はなんですか?」という質問自体が住民の主体性を損ない事実を覆っていたのです。では、当事者の本当の声や村の実情を把握するために、どのようなやり取りをすべきだったのでしょうか。
曖昧で一般的な質問では、その回答が事実を軸としたものではなく、応える側の思い込みや考えが強く反映されます。現実を知るには、単純な事実を積み重ねながら現実を浮かび上がらせることです。そのためには、考えを尋ねるための質問と事実を尋ねるための質問を明確に区別しなくてはなりません。援助の現場に限らず、日常生活での問題解決の場でファシリテーターに求められることの一つは、実のある議論や学びの多いやり取りに導くことです。実りのある議論とは、「事実」と「それ以外」を明確にし、質問を上手に構成することによって、回答から現実を見つけだすことです。

【参考】事実を尋ねるための質問
①"What""Who""When""Where"
②"How much?""How did you come from?"など明確な答えが期待できる場合の"How"
③「~をしたことがありますか?」「~を知っていますか?」といった経験や知識を尋ねる質問

―講座を終えて―
本講座では、対話型ファシリテーションのコミュニケーション技能について、その導入部分を説明していただいたにすぎませんが、これは支援の現場に限られるものではなく、職場や家庭、学校生活でも応用できる内容です。講座の中で盛り込んだミニ・ワークショップでは、受講者同士が活発に議論しあう様子がみられ、講座の最後には「事実質問を通じてニーズを汲み取る際、どう意識すれば成功するだろうか?」という質問があがりました。

受講者からは、「地域で活動しているが、地域で何が必要なのか、図6.png今日の講義を聞いて本当に大切なものが何かを考えることの大切さを学んだ」「実際のエピソードに基づいており、説得力・納得感がある。一つ視界が広がった。」

「NGOの例は身に覚えのあるものばかり、日常でもいかせる内容だった」「国際化に関係なく、普通の生活・社会でも役に立つポイントだと思った」などの感想が多く寄せられました。


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